労働問題を解決する裁判所での手続として、通常の民事訴訟のほかに、労働審判という制度があります。

両者の大きな違いとして、平均審理期間が挙げられます。
労働審判の場合、平均して、申立ての日から80日程度で結論が出されます。
これに対して、通常の民事訴訟(労働事件)の場合、平均して、申立ての日から約14か月半かかっています。しかも、これは労働審判を経た上での数値のため、労働審判から起算すると、実に17か月、1年半もの歳月を要することになります。

ただし、平均審理期間が短いということは、審理内容も緻密に行うものではなく、一定の方向が決まったら、解決金を会社側が労働者側に支払うという形で終結することが多いです。対して、民事訴訟の場合には、証拠による厳格な事実認定が積み重ねられるため、緻密な審理が行われます。

このように、それぞれ差異はあるものの、どちらが優れているというわけではなく、目的によって制度を使い分けていくことが必要になります。

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