紛争の内容
ご依頼者様は、相手方である会社に勤務されていましたが、突然、整理解雇する旨を言い渡され、予告通り整理解雇されました。

しかし、会社においては、会社旅行や忘年会などの社内行事が今まで通り行われており、新規募集もなされており、整理解雇の有効性を疑わせる事情が多数ありました。

そこで、まず、示談交渉事件としてご依頼を受け、整理解雇が無効であることを前提として交渉を進めました。

交渉・調停・訴訟等の経過
当方から相手方に対して、整理解雇が無効であることを前提に、数百万円の金銭的請求等を含む請求を行いました。

当初、相手方は、整理解雇が有効であることを主張し、こちらの主張を争う姿勢を示しました。

これに対し、当方は、整理解雇が無効である理由として、会社行事が行われていたこと、新規募集がされていたこと、人選が不明であり妥当ではないこと、会社から十分な説明がなされていないこと等を主張し、示談交渉で解決が難しい場合、労働審判や訴訟等手段もあり得ることを主張しました。

本事例の結末
これを受けて、相手方も態度を軟化させ、示談交渉で解決する姿勢を見せました。

主に、相手方が当方に支払う解決の金額が問題になりました。

当初、先方は、数十万円を主張しており、当方の請求額とかなり開きがありましたが、当方から、示談交渉での解決の必要性などを強く主張した結果、250万円を支払うという提案を引き出すことができました。

その結果、ご依頼から半年もかからずに、先方が当方に対し250万円を支払うという内容で合意することができました。

本事例に学ぶこと
整理解雇の有効性を争う場合、有効性を判断する要素はたくさんあるため、本格的に争うとなると多大な時間と労力が必要になります。

労働審判や訴訟ですと、様々な事情を詳細に分析し主張する必要がありますが、それらに比べて示談交渉ですと、簡易に事案を進めることができます。

本件のように、示談交渉で粘り強く進めることで、労働審判や訴訟に比べて早期に解決することができることを学びました。

弁護士 権田 健一郎