紛争の内容
相談者の方は、会社から懲戒解雇をされたが、これが適切であるかということについてご相談にいらっしゃいました。
懲戒解雇の内容としては、他社員に対するハラスメントでしたが、ハラスメント自体は事実であるとのことでした。
ハラスメントの内容が事実である以上、就業規則上、懲戒事由自体には当たるという事案でした。
しかし、懲戒解雇に至るまでの過程を適切に経ているかどうかに疑問があり、不当解雇といえるか難しい事案ではありましたが、ご依頼を頂き交渉を行うことになりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
懲戒解雇は、会社にとっては最後の手段として用いられるべきであり、そこに至るまでには、会社としてできることはきちんと行うべきです。
本件では、確かに懲戒解雇となる事由はありましたが、停職などの解雇よりも軽い処分が行われておらず、注意や指導が行われていたのみです。
会社に対して、急な解雇であり適切な手続きの履践がなされていないことから解雇権の濫用にあたると主張をしました。
当初、会社としては、懲戒事由にあたるため、解雇権の濫用には当たらないという反論がなされましたが、訴外で金銭的に解決を行うことも可能である旨をお伝えしたところ、早期解決のため解決金を支払う方針で協議を進めることができました。
本事例の結末
結論として、給料3か月分相当の解決金を支払い、会社都合退職とすることで示談が成立しました。
労働審判や訴訟を行わずに、交渉での解決となりましたため、ご依頼から半年ほどで解決に至りました。
本事例に学ぶこと
不当解雇として争うことが困難と思われる事案であっても、適切な法理論を主張することで金銭的な解決を図ることも可能です。もちろん、必ずしも会社が交渉に応じるわけではないので、労働審判や訴訟に移行するケースもあります。
しかし、交渉をすることで金銭的解決に至る事案があることも事実です。
一概に、この場合では必ずこのような解決になりますというご案内はできませんが、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
当事務所では、基本的に着手金無料で行っておりますため(事案により着手金を頂く場合もございます)、まずは一度ご相談いただけますと幸いです。
弁護士 遠藤 吏恭