Question
解雇を争う場合にはどのような主張をするのですか。
Answer
一般的には、解雇無効を前提として労働者としての地位が存在することの確認、それに基づく解雇期間中の賃金請求、不当解雇に伴う慰謝料請求等を行っていくことになります。
普通解雇の争い方
就業規則などに定められる懲戒事由がなくても、労働者の成績不良・病気・勤務態度の不良などを理由に解雇をすることができる場合があります。
しかし、解雇により日常生活に多大な影響が出る労働者を簡単に解雇すべきではないという考えに基づく解雇権濫用法理というルールにより会社の解雇権は制限されています。
したがって、会社からの普通解雇に対しては、これまでに会社からの指導に従ってきたこと、成績・勤務態度が改善する見込みがあること、病気の回復の可能性があること、配置転換などによっては会社の要求する業務に耐えられる可能性があること等の主張をすることで、解雇の有効性を争っていくことになります。
懲戒解雇の争い方
会社が労働者を懲戒解雇する場合、労働者の行動が就業規則等に定める懲戒事由に該当し、かつ、労働者が解雇によって職を失っても仕方がないという相当な事情がなければ、解雇できません。
また、就業規則等に定められた懲戒の根拠規定は、それが設けられる以前の労働者の行為に対しては、さかのぼって適用することはできませんので、そのような労働者の行為を理由とする懲戒解雇はできません。
次に、会社の規則で懲戒解雇をする際の手続きが定められている場合は、その手続きに従って懲戒解雇が実施されなければ当該解雇は無効になるとした裁判例があります。
さらに、手続規定がない場合も、労働者に対して弁明の機会が与えられていなければ、社会通念上相当な解雇とは言えないとした裁判例があります。
それらに基づいて、懲戒解雇の有効性を争っていくことになります。